こんにちわ、SOLA公認会計士事務所の福島です。
本日は、仮想通貨の税制改正をピックアップしてお伝えします。
だいぶ前にビットコインに注目して、その後はアルトコイン(orオルトコイン)なんかに手を出していたので仮想通貨取引については割と詳しいです。
(※値段が高騰する前にクライアントに紹介したので、クライアントは高騰してさぞうれしかったでしょう)
日本における仮想通貨は”有価証券”に似た取扱いがされているのが特徴的ですね、
「現金同等物」であり、「時価変動が著しい」という今までになかったものなので税務的な取り扱いも難しかったのだろうと思います。
なお、本件については”法人”を対象としていますので、”個人”ではないことを予めご留意ください。
(1)仮想通貨の譲渡損益
法人が仮想通貨の譲渡をした場合には、その譲渡に係る譲渡利益額又は譲渡損失額は、原則とし
て、その譲渡に係る契約をした日の属する事業年度の益金の額又は損金の額に算入することとされ
ました(合併等による資産の譲渡の規定(法第62条から第62条の5まで)の適用がある場合を除き
ます。)(法61①)。
この場合の譲渡原価の額は、移動平均法又は総平均法により算出した一単位当たりの帳簿価額に
その譲渡した仮想通貨の数量を乗じて計算することとされました(法61①二、法令 118 の5、118 の
6①)。
要するに約定日を基準として譲渡損益を認識するという事です。
有価証券の認識基準である”約定日基準”と同じタイミングという事になりますね。
(2)仮想通貨の時価評価損益
法人が事業年度終了の時に有する仮想通貨のうち活発な市場が存在する仮想通貨(以下「市
場仮想通貨」といいます。)については、時価法により評価した金額をその時における評価額とし、
自己の計算において有する場合には、その評価益又は評価損(以下「時価評価益又は評価損」とい
います。)をその事業年度の益金の額又は損金の額に算入することとされました(法61②③、法令118
の7、118の8)。
なお、その事業年度の益金の額又は損金の額に算入された仮想通貨の時価評価益又は評価損に相
当する金額は、翌事業年度の損金の額又は益金の額に算入(洗替処理)することとされました(法
令118の9①)。
ここで注目すべきは”市場仮想通貨”という表現が新たに誕生した事かと思います。
裏を返せば”上場していない仮想通貨”については、時価評価対象外という事になり、科目としては
”投資有価証券”が妥当になるのかなあと思います。
(3)仮想通貨信用取引に係るみなし決済損益
法人が仮想通貨信用取引を行った場合において、その仮想通貨信用取引のうち事業年度終了
の時に決済されていないものがあるときは、その時において決済したものとみなして算出した利益
の額又は損失の額に相当する金額(以下「みなし決済損益額」といいます。)をその事業年度の益金
の額又は損金の額に算入することとされました(法61⑦、法規26の10)。
なお、その事業年度の益金の額又は損金の額に算入された仮想通貨信用取引に係るみなし決済損
益額に相当する金額は、翌事業年度の損金の額又は益金の額に算入(洗替処理)することとされま
した(法令118の 11①)。
これも有価証券と同様の処理方法を踏襲しています。
既に先日付けでの取引約定があることになるので、その後の時価変動は当期に認識する。という事になりますね。
(4)申告にあたっての留意点
総平均法か移動平均法によって仮想通貨の価格測定をしなければいけないのですが、
この場合における測定方法について、取得した期の確定申告(中間申告の場合にはその時迄)までに税務署に届出をする必要があります。
もし、測定方法について届出をしなかった場合には”移動平均法”が強制適用になるので注意です。
とはいえ、仮想通貨のような時価変動により利益を得ようとするものについては
当然のことながら”移動平均法”で価格を出して利益を算出しているはずなのでそこまで重要ではありません。
想像通りの整備内容ではあったので、そんなに困惑する企業はないと思いますが、
念のため整備されたものをお伝えいたしました。
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