「お金を借りる理由」2,000人調査|生活費不足による借入が23.0%と多数。ギャンブル要因は7.9%にとどまる

2,000人調査「お金を借りる理由のリアル」|借金の理由は生活費の不足が最多

借入のきっかけとして最も多かったのは「継続的な生活費の不足」であり、ギャンブルを挙げた人は1割に満たなかった。

この事実を始めとして、本アンケートで分かった以下の項目を中心に、公認会計士事務所である当サイトが発信する情報として、調査データが示す事実とその解釈だけを述べる。

本調査・公的統計から見える借入の実態5つのポイント(生活費の不足23.0%・キャッシング29.4%・自己破産の原因は生活苦65.86%)

本記事は全国2,000人を対象とした借入と家計に関する意識調査をもとに、借金の理由とその背景を中立の立場で整理する。

目次

【結論】借金の理由で最も多いのは「継続的な生活費の不足」

本調査からわかった主な点は、次の3つである。

この記事の結論
わかったこと数値調査・分母
借入のきっかけ最多は「継続的な生活費の不足」。
ギャンブルは1割未満
23.0%本調査・借入経験者1,526人
借入先はクレジットカードのキャッシングと家族・親族が、
銀行カードローンや大手消費者金融より多い
29.4%
28.9%
本調査・借入経験者1,526人
支出の把握が甘い人ほど、
月末に口座残高が不足する経験が増える
36.7%→79.2%本調査・全2,000人

※「借入と家計に関する意識調査」。全国2,000人(うち借入経験者76.3%=1,526人)、2026年5〜6月実施。借入理由・借入先は借入経験者1,526人を分母とする。

これらの数値が示すのは、借入が一部の人の特別な行動ではなく、家計の収支構造と結びついた一般的な現象だという点である。
借金の理由を善悪で評価するのではなく、家計のどこに負荷がかかっているかという視点で見ると、実態が捉えやすくなる。

なお、本調査の回答者はクラウドワークス登録者であり、在宅就労層やネット利用層が一般人口より多い可能性がある。
数値は傾向の把握に用い、日本全体の推計には用いない。

以降では、各データの詳細と、公的統計との照らし合わせを順に示す。

この調査の概要と数字の読み方 ― 回答者2,000人のうち借入経験者は76.3%

本調査は全国2,000人を対象に、お金と支払いに関する選択式の12問をたずねたものである。調査期間は2026年5月20日から6月2日、回答はクラウドワークスを通じて集めた。

このうち借入の経験がある人は76.3%(1,526人)、経験がない人は23.7%(474人)だった。以降の借入理由・借入先の分析は、借入経験者1,526人を分母とする。

調査方法と回答者2,000人の内訳

回答者の主な属性は次の通り。

属性内訳
年齢40代28.4%
30代前半17.2%
30代後半15.5%
50代13.4%
20代後半13.1%
20代前半6.8%
性別女性57.7%
男性40.5%
その他1.8%
職業会社員(正社員)42.8%
パート・アルバイト15.9%
自営業・フリーランス13.4%
専業主婦・主夫11.4%
無職5.7%

年齢は30〜40代が中心で、性別は女性がやや多い構成である。

本調査の限界 ― 在宅就労層への偏り

回答者の67.0%が副業の経験を持っていた。これは一般人口と比べて高く、回答者にクラウドワークス登録者、すなわち在宅就労やネット利用に親しむ層が多いことを示す。

そのため本調査の数値は、日本全体の平均そのものではなく、借入と家計の傾向を読むための材料として扱う。回答者以外を含めた全体の推計には用いない。

借入のきっかけ第1位は「継続的な生活費の不足」、ギャンブルは1割未満

このセクションで扱う内容
  • 上位は生活費の不足・大きな買い物・突発的な出費が僅差
  • 「借金=ギャンブル・浪費」という通念とのズレ

借入経験者1,526人に、借入のきっかけとして最も当てはまるものを1つたずねた。最も多かったのは「継続的な生活費の不足」で23.0%、以下は僅差で続いた。

上位は生活費の不足・大きな買い物・突発的な出費が僅差

借入のきっかけランキング(1位・継続的な生活費の不足23.0%、上位3理由で62.9%)
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順位借入のきっかけ回答者数割合
1継続的な生活費の不足351人23.0%
2大きな買い物(家電・車など)312人20.4%
3突発的な出費(医療費・冠婚葬祭など)298人19.5%
4教育費・学費234人15.3%
5ギャンブル・投機121人7.9%
6旅行・レジャー69人4.5%
7副業・事業資金46人3.0%
8他社借入の返済(おまとめ)28人1.8%

※借入経験者1,526人を分母とする。このほか「その他」が4.4%。

上位3つはいずれも生活に直結する支出であり、合わせて借入経験者の62.9%を占める。一方、ギャンブル・投機は7.9%にとどまった。

「借金=ギャンブル・浪費」という通念とのズレ

借金の理由としてギャンブルや浪費を連想する人は多いが、データ上はそれらが主因となるケースは限られる。生活費・大きな買い物・突発的な出費・教育費という、家計運営上避けにくい支出が上位を占めた。

ここから読み取れるのは、借入の多くが浪費ではなく、収入と支出の差を埋めるために生じているという傾向である。理由を個人の資質に帰すのではなく、家計の収支構造の問題として捉える視点が要る。

借入先はクレジットカードのキャッシングと家族・親族が消費者金融より多い

このセクションで扱う内容
  • 借入先トップはクレジットカードのキャッシングと家族・親族
  • 「借金=消費者金融」のイメージと実態の差

借入経験者1,526人に、これまで利用したことのある借入先をすべてたずねた(複数回答)。最も多かったのはクレジットカードのキャッシングで29.4%、次いで家族・親族からの借入が28.9%だった。

借入先トップはクレジットカードのキャッシングと家族・親族

借入先ランキング(1位・クレジットカードのキャッシング29.4%、2位・家族親族28.9%)
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順位借入先利用した人の割合
1クレジットカードのキャッシング29.4%
2家族・親族からの借入28.9%
3銀行カードローン26.9%
4奨学金(日本学生支援機構など)25.2%
5アコム23.0%
6プロミス17.9%
7アイフル14.5%
8友人・知人からの借入10.0%
9レイク9.8%
10SMBCモビット7.7%

※複数回答。借入経験者1,526人を分母とする。このほか中小消費者金融1.1%、学生ローン1.0%、ヤミ金などの違法業者0.6%。

大手消費者金融のアコム23.0%やプロミス17.9%も使われているが、それ以上にクレジットカードに付帯するキャッシングや家族・親族からの借入が多い。奨学金も25.2%と高く、借入の入口は身近な手段に広がっている。

「借金=消費者金融」のイメージと実態の差

借金というと消費者金融を思い浮かべがちだが、実際の入口はカード付帯のキャッシングや身内からの借入が中心だった。違法業者(ヤミ金など)の利用は0.6%と低い。

家族・親族から借りた人のうち48.5%は、消費者金融や銀行カードローンなどの業者も併用していた。残りの51.5%は身内からの借入のみで完結している。

※家族・親族から借りた447人を分母とする併用状況。本調査の追加集計。

身近な人からの借入は「業者の代わり」ではなく、業者と並ぶ選択肢の一つとして使われている。

借入額は約6割が100万円以下、中央値帯は50〜100万円 ― 約7割が20代までに初めて借りている

このセクションで扱う内容
  • 最大借入総額は約6割が100万円以下
  • 借入を始めた年齢は20代までが約7割

最大借入総額は約6割が100万円以下、中央値帯は50〜100万円

借入経験者1,526人に、これまでの借入総額の最大値をたずねた。約6割(58.7%)が100万円以下に収まり、中央値帯は50〜100万円である。

最も多い金額帯は100〜300万円で25.6%だった。

借入総額の最大値割合
5万円未満7.0%
5〜10万円10.2%
10〜50万円22.5%
50〜100万円19.0%
100〜300万円25.6%
300〜500万円8.5%
500〜1,000万円2.6%
1,000万円以上2.9%

※借入経験者1,526人を分母とする。

100万円以下が約6割を占める一方、100〜300万円の層も4人に1人と厚い。1,000万円以上の高額層は2.9%にとどまり、借入の多くは数十万〜数百万円の範囲にある。

借入を始めた年齢は20代までが約7割

借入を始めた年齢は20代前半が35.5%で最も多く、10代18.1%、20代後半18.8%と続いた。合わせると、約72%が20代までに最初の借入を経験している。

借入を始めた年齢割合
10代18.1%
20代前半35.5%
20代後半18.8%
30代前半11.6%
30代後半以降14.3%

※借入経験者1,526人を分母とする。

教育費や奨学金が借入のきっかけ・借入先の上位に入っていたことと合わせると、借入は社会に出る前後の若い時期から始まっている。

借入理由は年代と性別で構造が変わる

このセクションで扱う内容
  • 若年は生活費の不足、年齢が上がると大きな買い物・突発的な出費へ
  • 女性は生活費・教育費、男性はギャンブル・突発的な出費が目立つ

借入のきっかけは、年代と性別によって構成が変わる。全体の最多は生活費の不足だが、その比重は層によって異なる。

若年は生活費の不足、年齢が上がると大きな買い物・突発的な出費へ

20代では生活費の不足が約3割を占め、最も大きな理由だった。年齢が上がるとその比重は下がり、40〜50代では大きな買い物や突発的な出費が上位に入れ替わる。

年代別の借入理由(20代前半は生活費の不足31.4%、年齢が上がると大きな買い物・突発的な出費へ)
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年代生活費の不足大きな買い物突発的な出費教育費
20代前半31.4%18.6%15.7%13.7%
20代後半30.5%16.7%15.8%17.7%
30代前半25.3%16.7%16.0%18.3%
30代後半22.5%16.9%20.3%16.1%
40代20.5%24.1%21.5%13.4%
50代19.1%24.9%23.4%11.0%
60代13.9%15.3%27.8%22.2%

※各年代の借入経験者を分母とする構成比。

生活費の不足は若い世代ほど重く、20代前半では31.4%に達する。一方、50代では大きな買い物が24.9%で最も高く、年齢とともに借入の理由が生活の維持から計画的・突発的な支出へ移っていく。

女性は生活費・教育費、男性はギャンブル・突発的な出費が目立つ

性別でも構成は分かれた。女性は生活費の不足28.0%と教育費20.6%が上位で、ギャンブルは2.1%と少ない。

男性はギャンブル・投機が15.2%と女性の約7倍にのぼり、突発的な出費や大きな買い物も上位だった。

男女別の借入理由(女性は生活費28.0%・教育費、男性はギャンブル15.2%が目立つ)
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借入のきっかけ女性男性
継続的な生活費の不足28.0%16.5%
教育費・学費20.6%8.7%
大きな買い物18.8%22.4%
突発的な出費16.3%23.7%
ギャンブル・投機2.1%15.2%

※女性820人・男性678人をそれぞれ分母とする構成比。

女性は生活費と教育費という家庭維持の支出が中心で、男性はギャンブルや突発的な出費の比重が高い。同じ「借金の理由」でも、性別によって背景が異なる。

借入の背景にある「家計の見えなさ」 ― 支出の把握とお金の出入り

このセクションで扱う内容
  • 支出の把握が甘い人ほど、月末の残高不足が増える
  • リボ払い・後払いの利用者は残高不足も借入経験も多い

借入の理由の手前には、家計が見えているかどうかという問題がある。本調査では、支出の把握度と月末の残高不足、そしてリボ払い・後払いの利用との間に明確な関連がみられた。

支出の把握が甘い人ほど、月末の残高不足が増える

全2,000人に支出の把握度をたずね、月末に口座残高が想定より少なかった経験(「よくある」「時々ある」)の割合を比べた。把握度が下がるほど、残高不足の経験率は階段状に上がった。

支出の把握度が低いほど月末の残高不足が増える(36.7%→79.2%)
支出の把握度残高不足を経験する割合
ほぼ完全に把握している36.7%
だいたい把握している54.4%
大まかにしか把握していない70.9%
ほとんど把握していない79.2%

※全2,000人を分母とする。

ほぼ完全に把握している人の残高不足は36.7%だが、ほとんど把握していない人では79.2%と2倍以上になる。支出が見えていないことと家計の綻びには強い相関がある。

ただし、どちらが原因かは本調査では特定できない。

リボ払い・後払いの利用者は残高不足も借入経験も多い

支払い手段としてクレジットカードの分割・リボや後払いアプリを使う人は、月末の残高不足を経験する割合が74.8%だった。これらを使わない人の46.8%を大きく上回る。

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 リボ・後払いを利用利用しない
月末の残高不足あり74.8%46.8%
借入の経験あり92.5%69.7%

※全2,000人を利用の有無で分けて集計。

リボ・後払いの利用者は借入経験率も92.5%と高い。支払いを後ろ倒しにする手段の利用と、借入や残高不足が同時に現れている。

これも相関であり、リボ・後払いが直接の原因と断定するものではない。なお残高不足を経験した人がその原因として最も多く挙げたのも、カード払いの引落だった(37.7%)。

公的統計が示す借金の背景と総量規制の基礎

このセクションで扱う内容
  • 借入のある世帯はどれくらいか
  • 自己破産の原因も生活苦・低所得が最多
  • 総量規制は貸金業者が対象、銀行カードローンなどは対象外

本調査の傾向は、公的統計とも整合する。借入の広がりと、その背景にある生活困窮の構図を第三者データで確認する。

借入のある世帯はどれくらいか

金融経済教育推進機構(J-FLEC、旧・金融広報中央委員会)の調査によると、借入金のある世帯は二人以上世帯で19.5%だった(2024年)。借入は珍しいものではなく、一定の世帯が日常的に抱えている。

引用:金融経済教育推進機構(J-FLEC)/旧・金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯調査)2024年」

自己破産の原因も生活苦・低所得が最多

参考として、2023年の日本弁護士連合会の記録調査を取り上げる。
本調査によると、自己破産の原因として「生活苦・低所得」が65.86%で最も多い(複数回答)。病気・医療費26.44%、生活用品の購入18.00%、失業・転職17.36%が続く。

自己破産の原因割合(複数回答)
生活苦・低所得65.86%
病気・医療費26.44%
生活用品の購入18.00%
失業・転職17.36%
浪費・遊興費12.81%
ギャンブル9.89%

※複数回答のため合計は100%を超える。

借入の段階でも、より深刻な自己破産の段階でも、最大の要因は生活苦・低所得だった。ギャンブルや浪費は一定数あるものの、主因とまでは言えない。

引用:日本弁護士連合会「2023年破産事件及び個人再生事件記録調査」

【まとめ】データが示す借金の理由の中立的な解釈

最後に、本記事の要点を整理する。

この記事のまとめ
論点本調査・公的統計が示すこと
借金の理由最多は継続的な生活費の不足で借入経験者の23.0%
ギャンブルは7.9%
借入先クレジットカードのキャッシング29.4%
家族親族28.9%が消費者金融より多い
年代・性別若年と女性は生活費
男性はギャンブルや突発的な出費が目立つ
家計の状態支出の把握が甘い人ほど残高不足が多い
(36.7%から79.2%へ)
公的統計自己破産の原因も生活苦・低所得が最多で65.86%
※複数回答

借金の理由を一言でまとめれば、その多くは浪費ではなく、収入と支出の差を埋めるための生活防衛だった。借入の有無や金額は、家計が見えているかどうかと強く関連していた。

借金は善悪で語られやすいが、データが示すのは家計の収支構造の問題である。理由を個人の責任に帰す前に、支出の把握とお金の出入りを点検することが、借入と向き合う出発点になる。

参考:10〜30代の借入実態調査|「学生ローン」利用はわずか1.1%と奨学金の22分の1。借入の入口は奨学金が最多

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SOLA公認会計士事務所
コラム編集部

公認会計士事務所が運営するお金のコラムとして、会計・財務の専門知識を土台に、融資やカードローンなど借入に関する情報を初めての方にもわかりやすく解説します。公的機関の情報や各社公式サイト、独自に収集したデータを根拠に、正確さを最優先した記事づくりを徹底。読者が自分に合った借り方を安心して選べるようサポートします。

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