こんにちわ、SOLA公認会計士事務所の福島です。
よく聞かれる質問なので、ブログで紹介しておきたいのですが、
「公認会計士と税理士の違いは何ですか?」
この問いの本質は、おそらくですが”何を依頼できるのか、自分は何を得出来るのか”から来ていると思っています。
試験の段階で学ぶことの範囲や、その合格率、また科目合格の有無やその有効期間、資格の取得経路がまるっきり違うので少しずつ紹介します。
①試験の段階で学ぶ範囲
公認会計士:公認会計士試験は、会計に関する物以外にも、固有の基準である監査基準、会社法等からなる企業法や、法人税、消費税、所得税などを含む租税法。選択科目として経営学、経済学、統計学、民法などがあります。
また短答式合格の有効期間は2年間(合格率6~15%)、で切れれば短答式試験から取り直しです。
論文式試験(合格率10%以下)にも科目合格制度はありますが、短答式試験の関係で、2年後には一次試験から取り直しになります。
短答式の詳細
- 財務会計論(簿記、財務諸表論、その他、企業等の外部の利害関係者の経済的意思決定に役立つ情報を提供することを目的とする会計の理論)
- 管理会計論(原価計算、その他、企業等の内部の経営者の意思決定及び業績管理に役立つ情報を提供することを目的とする会計の理論)
- 監査論(金融商品取引法及び株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律に基づく監査制度、監査諸基準その他の監査理論)
- 企業法(会社法、商法(海商並びに手形及び小切手に関する部分を除く。)、金融商品取引法(企業内容等の開示に関する部分に限る。)、その他、監査を受けるべきこととされる組合その他の組織に関する法)(Wiki抜粋)
論文式の詳細
- 会計学
- 財務会計論(簿記、財務諸表論、その他、企業等の外部の利害関係者の経済的意思決定に役立つ情報を提供することを目的とする会計の理論)
- 管理会計論(原価計算、 その他、企業等の内部の経営者の意思決定及び業績管理に役立つ情報を提供することを目的とする会計の理論)
- 監査論(金融商品取引法及び株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律に基づく監査制度、監査諸基準その他の監査理論)
- 企業法(会社法、商法(海商並びに手形及び小切手に関する部分を除く。)、金融商品取引法(企業内容等の開示に関する部分に限る。)、その他、監査を受けるべきこととされる組合その他の組織に関する法)
- 租税法(法人税法、所得税法、その他、租税法総論及び消費税法、相続税法その他の租税法各論)
- 次の科目のうち受験者のあらかじめ選択する一科
- 経営学(経営管理及び財務管理の基礎的理論)
- 経済学(ミクロ経済学、マクロ経済学その他の経済理論)
- 民法(民法典第1編から第3編を主とし、第4編及び第5編並びに関連する特別法を含む)
- 統計学(記述統計及び推測統計の理論、金融工学の基礎的理論)
税理士:税理士試験は、会計に関する知識と、税法の知識を選択して選びます。すべてで11科目あるうちの5科目を選んでいきますが、中には必須科目などもあるので全て好きなものを選べるわけではありません。また1科目(合格率はおおよそ10~20%)ずつ科目合格制度があり、一度合格すれば未来永劫科目合格扱いとなり、5科目合格の後試験合格扱いとなります。
税法に属する科目(所得税法、法人税法、相続税法、消費税法又は酒税法、国税徴収法、地方税法のうち道府県民税及び市町村民税に関する部分又は地方税法のうち事業税に関する部分、地方税法のうち固定資産税に関する部分)と会計に属する科目(会計学のうち簿記論及び財務諸表論の二科目)の計11科目(同法6条)。税理士試験の試験科目に関しては、会計関係2科目の受験者は減少が文部科学省の審議会にて指摘されている。(Wiki抜粋)
またこのうち、必修科目として簿記論と財務諸表論、選択必修科目として法人税or所得税、選択科目としてその他7科目を選びます。
まとめると、公認会計士は会計、税務以外にも会社法などの法律を学ぶ必要があるのと、経済学や経営学など経営に関する学問も学びます。一方税理士は会計、税法範囲内で科目を選び学びます。
②資格取得の経路
公認会計士:資格試験のみで合格(一部ほかの取得取得により免除あり)
税理士:23年以上税務署に勤務し、指定国税従事者として10年~15年勤務することによって、税法科目が免除されます。会計の選択科目のみ合格すれば税理士資格を取得できます。また、学位取得による免除も合わせると、免除のみで資格を獲得することも可能です。
学位取得による免除
2002年(平成14年)4月1日以降に大学院へ進学した場合、修士号取得者については、会計系ならば会計に関する修士論文を、税法系ならば税法(租税体系・法人税・所得税・消費税など)に関する修士論文を作成し、かつ、関係する科目1科目を合格することが、免除を受ける要件となった。つまり、例えば商学の修士号を持っている者は、会計に関する修士論文を作成しており、かつ簿記論又は財務諸表論のどちらかに合格することにより、もう片方が免除されるのである。なお、論文審査があるため、修士論文を作成していない者や、税理士試験と関係のない研究をした者は、たとえ修士号を取得しても試験は免除されない。 また、博士号取得者については、会計学に関する研究により学位を取得した者は会計系の科目2科目が、税法に関する研究により学位を取得した者は税法系の科目3科目が、それぞれ免除されるようになった。
免除要件
インターネットの掲示板などでは、課税庁出身教員に指導されることが免除要件であるかのごとき誤解が一部受験生の間で存在した。しかし、そのような特定の大学院を出る者だけが院免除出来るわけではない。現実には、東京大学をはじめとする国公立大学、慶應義塾大学や早稲田大学などの私立大学でも院免除されている。また、研究科や専攻等も問わないことから、理系の修士課程であっても院免除している。慶應義塾大学などをはじめとする理工系大学院出身者も当然院免除を受けている[6]。重要なことは、修士論文のタイトルと中身である。
国税従事者の免除制度
23年以上税務署に勤務し、指定研修を受けた国税従事者(税理士法8条1項4号乃至10号、同条2項) 税務署に10年〜15年勤務すると、税理士試験科目のうち、税法科目が免除される。
指定研修
指定研修とは、税理士法に定める研修であり、修了することで試験科目の免除が受けられるようになる。 現在、指定研修は、税務大学校での本科研修、専科研修がある。専科研修は、国税専門官が受講する研修である。
まとめ:公認会計士は資格試験を合格しなければいけないが、税理士は免除制度が多岐に渡るため必ずしも試験を受けなくても良いことがあります。
制度的な違いをピックアップしてみましたが、いかがでしょうか。
ひとえに”税理士”と言っても色々なバックグラウンドがありますので、顧問契約する際にはいい人が見つかるといいですね。
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